症状の経過から分類される3種類の肝炎

肝臓のことを説明する女性4

肝炎は肝臓に炎症が起きた状態です。肝臓に炎症が起こる原因には、ウイルスや薬剤、アルコール、アレルギーなどがありますが、日本人の肝炎の約80%はウイルスを原因としているため、単に「肝炎」と言うと通常はウイルス性肝炎を指します。

 

肝臓に炎症を引き起こした原因が何であっても、症状は似ています。そこで、症状が発生してからの経過によって、肝臓病は大きく3つに分類されます。急性肝炎、慢性肝炎、劇症肝炎です。突然発症し、一過性のものを急性肝炎、6ヶ月以上検査数値が正常に戻らないものを慢性肝炎と言います。慢性肝炎の場合、多くは自覚症状がほとんど無いため、検査数値で判断することになります。急性肝炎のうち約1%が罹るとされる死亡率の高い肝炎が劇症肝炎です。病気の進行は早く、早い場合には初期症状が現れてから10日ほどで脳症が起こることもあります。

 

急性肝炎は、ウイルスに感染、または薬剤が最初に投与されてから数週間後に発症します。始めに現れる症状は風邪によく似ています。全身倦怠感、食欲不振、頭痛、悪心、右脇腹痛などです。風邪のような症状だけれども鼻水や咳が出ずに右脇腹に痛みを覚えたら、急性肝炎を疑って内科を受診した方が良いと言えます。そのような初期症状が軽快してくる頃、黄疸が見られるようになります。黄疸が見られたら、血液検査などで肝炎の程度や炎症が生じた原因を調べる必要があります。急性肝炎の治療は、入院して安静を保つことが基本です。点滴をすることもありますが、それは食欲が無い場合の体力維持を目的としています。急性肝炎はほとんどの場合、数ヶ月で症状は治まります。

 

急性肝炎が治りきらずに肝細胞の破壊と修復が6ヶ月以上にわたって絶え間なく続いている状態が慢性肝炎です。人によっては全身倦怠感や吐き気、食欲不振などが見られることもありますが、自覚症状がほとんど無いため、検診などで偶然見つかるケースが大半です。日本では約130万人が慢性肝炎に罹っていると言われています。治療は検査結果に応じて行われますが、肝機能が一応安定している場合には特別な治療は必要とされません。ただし、禁酒はしましょう。植物性脂質や魚介類の脂質は適量ならば摂取することが推奨されています。サラダ油やオリーブ油などで調理されたものを不必要に避けることはありません。

 

劇症肝炎の初期にも風邪によく似た症状や黄疸が現れます。ただし、通常の急性肝炎ならば、黄疸が出て1週間もすると自覚症状が和らいできますが、劇症肝炎では黄疸がますますひどくなります。黄疸が出て1週間経っても軽快してこなかったら要注意です。その頃から鼻血や歯肉出血などの出血傾向、脈拍が激しくなる、呼吸が荒くなるといった症状も現れてきます。意識障害が生じる前に早急に病院を受診することが必要です。